Dec 22, 2009
出張にも是非泊名古屋ホテル
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甚大な被害を出した津波に関して気象庁の横山博文地震津波監視課長は12日の会見で、「津波は、かなり早い時間に陸に到達していた可能性がある」との見方を示した。地震発生直後に津波が到達したため、住民が高台などに避難する時間がなかった可能性があるという。
気象庁によると、今回の地震では、岩手県から茨城県にかけての広範囲で断層破壊が起こった。津波は震源の位置からではなく、破壊された断層の先端から伝わるため、断層の破壊が沿岸部近くまで達していた場合、きわめて短時間に津波が押し寄せた可能性があるという。横山課長は「海底の地殻変動は広範囲にわたっているが、その中心付近が最も高い津波となったと思う」と話した。
潮位を計測する沿岸の検潮所では、これまでに地震発生から約30分後から、3〜7メートル超の津波が観測されている。しかし、気象庁によると「甚大な被害が明らかになっている地域の検潮所では、回線の切断や停電の影響で観測データが軒並み入手できない状況が続いており、今も津波の高さなどは計測できていない」という。
海岸から数キロ内陸まで津波が到達したところもあり、これまで観測された津波を大幅に上回る大津波が押し寄せた可能性もある。
河田恵昭・関西大学社会安全学部教授は、被災地沿岸部で水がひかず水没したままになっていることについて「地震発生とほぼ同時に地盤沈下している。これが被害を大きくした」と指摘。「これまで可能性としてはいわれていたが、国内の地震でこれまでみられなかった新しい現象で、今回の地震の並外れたエネルギーの大きさが分かる」と分析した。被災地各地で防波堤を津波が想定以上に超えたことにも「やはり、地震による地盤沈下が原因と考えられる」と話した。
JR東日本は東北・山形・秋田の各新幹線について、震災発生後の11日に続き、12日も終日運休することを決定した。上越・長野新幹線も、同日未明に長野県で震度6強を記録した地震の影響で運休が続いたが、午後4時ごろに再開した。
在来線は中央線や山手線で運行を再開。午後2時現在で、首都圏の大部分の路線について通常の3〜5割程度の本数で運転している。
岩手、宮城両県の沿岸を走る大船渡線、仙石線、気仙沼線の計4列車と連絡が取れなくなっていたが、仙石線野蒜(のびる)駅近くで脱線した列車から乗客ら9人を救出。残る3本の乗客と乗務員も無事が確認された。
国土交通省によると、東北地方では青森、東北、八戸、秋田、東北中央、常磐の各自動車道などで全面通行止め。一部区間も合わせると、通行止めの高速道路は計40路線以上に及んでいる。
国道では、宮城県内の45号や福島県内の6号などで浸水や路面陥没、橋の流失などが確認され、計100区間以上が通行止めとなっている。
空の便では、国内線が日航で120便以上、全日空も50便以上が欠航。両社だけで国内線は計約2万7千人に影響したという。
一方、ライフラインでは、関東地方の計約54万戸が停電。東北電力管内の停電は約281万戸となった。
ガスや水道も、広範囲で供給が止まっている。
原子力安全・保安院ガス安全課などによると、青森、宮城、岩手、福島、茨城、千葉、神奈川の7県の計44万戸で都市ガス供給がストップ。
厚生労働省水道課によると、宮城、岩手、福島、茨城を中心に北海道から愛知県まで17都道県の140万戸以上で断水している。
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特集「東日本大震災」
東京電力の福島第1原子力発電所で1号機の建屋が爆発で吹き飛ばされた事故は、原子炉に海水を満たすことで「炉の休止」という事態を迎えた。政府や東電は津波の発生後、炉の存続を念頭に状況の打開を探ってきたが、「炉心溶融(メルトダウン)」や建屋の爆発という過去に例のない事態に直面する中で、「最後の一手」を出さざるを得なくなった形だ。
枝野幸男官房長官は12日夜の会見で、海水注入の判断を下した理由を「専門家と東京電力、原子力安全・保安院と専門家で分析し、首相らと納得いくよう説明した」と述べ、「(注入による)新たなリスクはない」と断言した。
福島第1原発の炉心溶融でセシウムと呼ばれる物質が見つかったことは、ウラン酸化物を高温で陶磁器のように焼き固め放射性物質を閉じ込めた「ペレット」と、それを覆うジルコニウム合金の「被覆管」が溶けた可能性があることを示している。原子炉は停止しているとはいえ、放射性物質を閉じ込められなければ被害は甚大だ。
マグニチュード8を超える地震と津波という二重の被害について、東電は「想定していなかった」としているが、その後の対応は急務だった。現場では、時間と戦いながら難しい判断と作業を迫られている。場合によっては作業員が危険にさらされ、周辺環境にも悪影響を及ぼしかねない。
米国のスリーマイル島事故や旧ソ連でのチェルノブイリ事故という過去の原発事故の結果、世界各国の原発建設が滞る中、日本は時にトラブルを起こしながらも着実に建設を進めてきた。それは石油などの輸入ばかりに頼れない資源小国・日本にとってのエネルギー安全保障上の重要な戦略でもある。
耐震規制を強化し、計画中の原発の建設が遅れることがあっても知見を蓄積してきた自負もある。先の新潟県中越沖地震の際、東電の柏崎刈羽原発は大きな被害を受けながらも致命的な被害はないとされ、東電は7基中4基の再起動にこぎ着けた。日本の原子力技術に対する世界的な評価の高さは、こうした歴史が背景にある。
今回、原子炉への海水注入という前例のない措置をとった背景には、被災地住民の負担や不安が高まる中、政府として「必要最低限から一つ超えた措置」(枝野氏)でさらなる混乱を避ける狙いがある。「炉の休止」という決断に踏み込まざるを得なかった今回の事故が突き付ける課題は大きい。
◇
【用語解説】炉心溶融(メルトダウン)
原子力発電所などで冷却などの制御が不能となり、原子炉内の温度が上昇し、核燃料の詰まった炉心が溶け出すこと。温度が原子炉の格納容器などの融点を超えたり、水蒸気爆発などが起これば、密閉性が失われ、大量の放射性物質が大気中に拡散する最悪の事態にもなりかねない。
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