Oct 12, 2010

名古屋のホテルの屋上から

名古屋ホテルの前を通った時、"あそこに誰かいるぞ"という声が急に高くなった。周囲の人たちは一様に上を指差している。私の上を見ると、ホテルの屋上に人影が見えた。どうやら誰かが飛び降り自殺を試みているようだった。結局その人は無事に助け出されたが、私は名古屋のホテルの前を通過するたびにこの事件を思い出させる。
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 検察側は伊藤リオン被告になぜ行方をくらませていたのか、第三者に促され、出頭したのではないかと矢継ぎ早に質問する。元リーダーに「迷惑がかかると思った」と伊藤被告は力なく繰り返した。

 《市川海老蔵さん(33)を殴るなどして重傷を負わせたとして、傷害罪に問われた伊藤リオン被告(27)の第2回公判。検察側は伊藤被告に対し、犯行時の状況について質問を続ける》

 《海老蔵さんが暴走族元リーダーの男性(29)に頭突きしたことが犯行のきっかけになったと、伊藤被告側は主張している。検察官は元リーダーが事件後に現場となったビル1階で倒れ込んでいる防犯カメラの写真を伊藤被告に示しながら、質問する》

 検察官「写真は○○(法廷では実名)君が床に倒れていて両脇を2人で抱えていますね。あおむけに倒れているのが○○君で間違いないですね」

 被告「はい」

 《○○君は元リーダーを指す》

 検察官「このとき○○君の鼻血は出ていましたか」

 被告「止まってはいなかったと思います。すごい量ではなかったです」

 検察官「タオルで鼻を押さえていましたか」

 被告「このときは押さえていなかったと思います」

 検察官「酒でへべれけになって倒れていたんじゃないの?」

 被告「頭突きされてからこうなりました」

 検察官「頭突きでこうなりますか?」

 被告「お酒もすごい飲んでいたので、両方のことがあると思います」

 検察官「両方ではなくて、酒でこうなったんじゃないの?」

 被告「違うと思います」

 《検察側は、海老蔵さんが頭突きしたという伊藤被告側の根拠が弱いことを強調したいようだ》

 検察官「犯行後のことを聞きます。先ほど(弁護側の被告人質問で)『自分の話が信用されるか不安で出頭できなかった』と言っていましたね?」

 被告「はい」

 検察官「誰かに相談しましたか」

 被告「出頭しようかということをですか」

 検察官「出頭しようかどうかです」

 被告「知りあいに(相談しました)」

 検察官「弁護士にも相談していますか」

 被告「弁護士はないです」

 《伊藤被告は検察官を見すえながら、質問に答えていく》

 検察官「○○君とは話しましたか」

 被告「事件を起こした次の日に(話しました)」

 検察官「会ったんですか」

 被告「電話で話しました」

 検察官「どんなことを話しましたか」

 被告「(事件について)テレビでやっていたと」

 検察官「これはまずい、どうしようと話しましたね」

 被告「そうですね」

 検察官「その後、○○君に会ったり話したりしましたか」

 被告「していません」

 検察官「どうして?」

 被告「迷惑がかかるから」

 検察官「どんな迷惑がかかるの?」

 被告「逮捕状が出ていて、迷惑がかかるから」

 検察官「迷惑はかからないじゃないの?(弁護側の主張では)○○君は悪くないということなんでしょう?」

 被告「そうかもしれません」

 《続けて、検察官は伊藤被告が出頭した理由について質問した》

 検察官「どうしてこのタイミングで出頭したの?」

 被告「知りあいの知りあいの人と相談してもらって、警察と連絡を取ってもらって日にちを決めました」

 検察官「どういう人? 名前は?」

 被告「どんな人かは、知りあいの知りあいなので…」

 検察官「そんな人があなたに便宜を図ってくれるの?」

 被告「困っていたので」

 検察官「出頭までなぜこんな時間がかかったの?」

 被告「気持ちの整理をつけていました。逃げてもダメだと」

 検察官「というよりその人に出頭しろと言われたからではないの?」

 被告「それは違います」

 検察官「気持ちの整理はついていたんじゃないの?」

 被告「ついてなくはない」

 検察官「被害者のことを警察になかなか話しませんでしたね。(昨年)12月19日になってから誰と一緒にいたか、被害者のことを話し始めましたね?」

 被告「はい」

 検察官「なぜこんなに時間がかかるの? 気持ちの整理はついていたんじゃないの?」

 被告「自分が話して○○君に迷惑をかけるんじゃないかと思って」

 検察官「事件のときに誰がいたかは警察は分かっているでしょう? 迷惑の問題じゃない。誰かに話すなと言われたんじゃないの?」

 被告「それはない、違います」

 《伊藤被告は憮然とした表情で反論した》

 検察官「警察に○○君が行ってから話し始めましたね」

 被告「はい」

 検察官「誰から警察に○○君が行ったと聞きましたか」

 被告「警察だと思います」

 検察官「なぜ被害者の行動を話さなかったの?」

 被告「迷惑がかかるんじゃないかと」

 《続けて、検察官は伊藤被告の過去の刑事裁判の供述について触れ、反省の態度について追及する》

 検察官「前の事件で考え方を改める必要があると話しましたよね。今回も『今後はこのようなことはしない、自重します』と話しているけれど、本当にそうなるの?」

 《伊藤被告は沈黙した》

 検察官「前の事件も、前の前の事件でも同じことを(裁判で)話していますよね?」

 被告「はい」

 検察官「なぜこうなるの? 暴力ぐせはなくならないの? 今回も相手が死んだかもしれないでしょう?」

 被告「はい」

 検察官「(暴力は)何が起こるか分からないでしょう?」

 被告「はい」

 検察官「死なせたかもしれない事件もあったでしょう」

 被告「はい」

 検察官「どうしてあなたはこういうことをするの?」

 被告「今回は本当に守ろうと思って。方法はよくないけれど」

 検察官「ここまで暴力を続ける必要はないんじゃないの?

 被告「冷静に考えるとそうです」

 検察官「このままだと刑務所に出たり入ったりになる。父として何も教えられないでしょう、子供に」

 被告「このままじゃいけないと思います」

 検察官「それは前から分かっているでしょう。家族を大事にする気持ちがないんじゃないの?」

 被告「そんなことはないです」

 検察官「刑務所に入るかもしれない裁判沙汰になぜなるの?」

 被告「…」

 検察官「反省と、人間関係の清算が必要なんじゃないの? 同じことを繰り返すことになる」

 被告「繰り返すことはないと思います。家族がいて、今までとは違います」

 検察官「暴力は被害者の体だけじゃなく、心も傷つけますよね?」

 被告「はい」

 検察官「重大性を分かっていますよね?」

 被告「はい」

 検察官「分かっていれば起こさないでしょう」

 被告「はい」

 検察官「今回は刑務所に入って反省した方がいいんじゃないの?」

 被告「分かっています」

 《ここで検察側の被告人質問が終了した。弁護側は追加の質問を始めた》

 弁護人「あなたが海老蔵さんに暴力を振るったとき、海老蔵さんからも反撃はありましたね」

 被告「ああ、ありました」

 弁護人「どんなことをされました」

 被告「前蹴りをうってきました」

 弁護人「そういうことがなければ(暴行は)終わっていた。そういうことがあって、暴力を振るい続けたんですよね」

 被告「そうですね、また殴ってくるんじゃないかと思いました」

 《弁護人の質問に答える伊藤被告の声は、検察側に答えていたときよりも明るい》

 弁護人「逮捕状が出たと分かった後、○○さんと連絡を取らなかったのは、逃げるのを助けることになって迷惑をかけると判断したんですよね」

 被告「はい」

 弁護人「暴力事件を何度も起こしていますが、今回は意味合いが違いますよね」

 被告「はい」

 弁護人「わざとではなく、人を守るためですよね」

 被告「はい」

 《さらに、弁護人は伊藤被告に反省が真摯なものでであるかどうか念をおし、質問を終了した。板野俊哉裁判官が質問しようと口を開いた》

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Posted at 12:28 in Government | WriteBacks (0) | Edit
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